キュプラやレーヨン、リヨセルなど植物性の化学繊維《再生繊セルロース繊維》はシルクに似た光沢やツヤ、滑らか風合いなどの利点があり、様々なファッション衣料で使用される一方で「洗濯が難しい」「縮みが激しい」「色移りの心配がある」などの弱点があります。これらの弱点を改善、向上させる加工技術を東北整練(株)が開発し、これらの技術を【MVAミヴァージュ加工】と名付けました。
2017年よりナノ材料を活用した加工技術の研究に取組み、基礎試験開発に約4年を費やし、2021年1月に当技術を特許出願いました。私どもが取り扱い経験のないナノ材料は、その特徴から加工に使用できるまでには大変な苦労の連続でした。最初に取り組んだのはナノ材料の水溶液状化です。水に溶かす際、均等に溶け込まない厄介な材料に対して、専用設備もない中で家庭用のミキサーを持ち込み、何度も試行錯誤を繰り返しようやく均等に分散した水溶液ができました。しかし、できた溶液はたった200cc程度。大きな生地を漬け込み加工するには到底足る量ではなく、溶液を量産化する方法にも課題が山積していました。それらの課題を一つ一つクリアし、実際の生地に加工テストできたのはミキサーを使用した約1年後でした。
生地に加工する際のナノ材料の濃度や煮沸温度、乾燥時間や素材との相性など、どこを調べても情報も目安もなく、全てが手探り状態。仮設・検証・記録を繰り返す作業は大変な根気が必要でした。山形県工業試験場にも何度も足をお運び、専門家のアドバイスをいただき課題を確認しては実験室に籠って作業を行いました。それらはすべて「なんとしてでも素材の弱点を克服したい」「世の中に新しい価値をつくって、便利で豊かな新しい生活を実現させたい」そんな思いを抱き続け、《新しい技術が地球環境への負担軽減に役立つことを証明できるチャンスである》と考え、現在も継続する様々な開発へと繋がっております。
和紙、シルク、ウールなど天然素材を中心に MVA 加工を応用した機能的価値を加え、よりサステナビリティ性の高い新素材を創造することを開発目標にしております。
これらファッション性の高い商品を発信する一方で、機能面を強化したスポーツ系高機能商品も開発。
またこれらの特許技術と、創業から蓄積した染色技術を組み合わせた新しい技術基盤により、ファッション・スポーツなどの衣料分野から、さらにはサステナビリティ性を追求した先端材料分野まで幅広い事業展開を行います。
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